ラジオ番組:平和・原発・ひとりごと 2019年12月号

http://radiocafe.jp/wp-content/blogs.dir/276/files/2019/11/anzai191204.mp3

 

皆さんこんにちは。

安斎育郎 平和原発独りごと。もう今年の最後、12月号をお届けする時間になりました。

寒いと思うとちょっと気温が上がったりして風邪をひきやすいような時期ですね。

昔テレビなんかでを鬼のような怪物が出てきて、風邪をひいてまんねんていうメッセージを伝えるコマーシャルがありました。

鬼のように普段ぴんぴんして元気そうな人が風邪を引いたり、病気になったりすると鬼の霍乱って言ったんですね。

今日は京阪三条という駅から三条大橋を渡って、三条小橋てのがあるのですが、そこからちょいと川面を見ると、桜紅葉がたくさん浮かんでいる。

そういう季節ですね。まぁ、紅葉もちょっとは大丈夫かもしれないけど

そろそろ見ごろを越えた、そういう時期で風邪を心配しなければいけないような時期です。

鬼という字をちょっと例に取ってみると上に田んぼの田みたいなのに毛が生えてると言うか角があるっていうか、そういう部分があって、下に片仮名のルみたいな、ひざまずいている足の形ですけれども上の田んぼの田みたいなのは死んだ人の魂を表わす部分ですね。獅子頭と同じように死んだ人の楽しいを表わしてるもの。それをその上に死んだ人の象徴の頭を被って神様の前にひざまずいているというのが鬼っていう原型ですね。だから、鬼て意味じゃなくて死んだ人の魂のことをあの字で表わしていたんですね。

で、やがてそれにいい足の右側にカタカナのムっていうような字を書き加えるようになりましたね。ムっていうのは、空に浮かんでいる雲という字の、その下半分に云々かんぬんの云ていう字があって二本棒を引っ張って、片仮名のムを書くね。

あれは、もやもやって立ち上がっているものという形から来てるんですが、もやもやとしてよく分からないようなもの。鬼も死んだ人の魂がもやもやと漂ってると意味であれを付けたんです。

それがしかし、やがて鬼という意味に使われちゃっていたので魂いう字をどういう字で表わそうかといったら、今度鬼という字の左側にもう一つ、曇って言う字下側のもやもやいう字を付け加えて、これで魂っていうふうに読むようになったんですね。

面白いですね。

人間は何かに応じて色んなものを付け加えながら目的を達成してきた鬼っていう字と魂っていう字、元々同じところから出てる訳ですけれども。

魂は鬼の左っ側に、もやもやとしたものを付け加えた形になっています。

今言ったように、何か人間はあるものを過去のものに色々付け加えながら、新しい目的を達成してきたという面があるのですけれども付け加えた方がいいものと悪いものがあるでしょうね。

ローマ教皇がこの間日本に来て、広島長崎を訪れ、あるいは東北大震災その他の被災者、あるいは死刑を宣告された袴田さんという人、そういう弱者に対してメッセージを残して日本をあとにしていきましたけれども。言ってる内容は、我々が五十年このかた言ってきた

核兵器廃絶のメッセージと同じだけれども、やっぱりローマ教皇という精神世界で圧倒的な影響力を持っている人が核兵器被害を直接受けた日本に来てそういうメッセージを発したというところにとても有意な意味があったと思います。

ローマ教皇がこれはいかがなものかといった核兵器、これなどはやっぱり付け加えてはいけないものですね。

付け加えていいものもたくさんあったからこそ、人間の生活はより文化的になってきたという面はありますけども核兵器とか私にいわせれば、原発とかは付け加えない方が良かったのではないかと思いますね。

そしてそういう意味で我々は核兵器がこのように登場した1945年、昭和20年の8月6日広島8月9日長崎、それからずっと日本の市民は核兵器をなくすというを世界に発してきた。なかなか遅々として成果は上がりにくかったけれども2018年の7月7日国連で核兵器禁止条約というのが122対1対1って圧倒的多数で採択されたんすね。

残念ながら日本は加わっていない唯一の核兵器の実戦使用の被害国だというふうに、総理大臣も度々言いながらこの核兵器禁止条約の政策過程あるいは採択には関わってこなかった。

この最初関わった時期があったんですけれどもアメリカからこういう核兵器禁止条約は駄目と言われて、一切日本政府はそれから核兵器禁止条約に関わっていないですね。

ローマ教皇が日本に来て、総理大臣に会った背景には

広島、長崎の体験をした日本が、なぜ核兵器金条約に加わらないのかということについて、注意を喚起する重要な機会にしたいという思いがあったと思いますけれども。

この核兵器禁止条約は、五十か国が批准

それぞれの国でこの条約は発行すべきであるということ

意思決定の最高機関、国会その他で決めて

50か国が批准してから90日目に効力を持つことになってるのですがそこに日本は加わっていないんです。

まことに残念なことで、我々ローマ教皇の来日を機会にして、もう一度

国会でこの問題を国民的な重大な議題として、きちっと取り上げて政府をあげて核兵器禁止条約批准に向けて取り込むように要請したいと思います。

原発問題もそうですけれども野党5党が原発ゼロ法案という呼ばれるものを、国会にとっくに出してるんですけれども政権党がそれについて審議することを拒んでいでいる為に議論が進まないってこともあります。

この原発も私は、今のエネルギー政策の中では付け加えない方がいいものだと思います。

そういう意味で鬼という字に雲という字の下半分を左側に付け加えて魂という字にした。付け加えることによって新たな意味を獲得するとう営みを人間は色々やってきたけれどもやっぱり付け加えの方がいいものもあるというふうに、感じているところであります。

さてこの間、私は何をしていたかと言うと平和原発ひとりごと、というこの番組との関係で言えば平和の面では日本、平和博物館会議というのに出席しました。

11月21日に22日と横浜で日本平和博物館会議というのが開かれました。

世界には平和博物館が三百近くあって日本にはその中に七十ぐらいの平和博物館が色んな地域に大小合わせてあるんですね。

その中で比較的観客動員数の多い例えば広島、平和祈念資料館、

原爆資料館、長崎原爆資料館、それから沖縄戦を描いている、沖縄県平和記念資料館や、その中の「ひめゆり部隊」という女性達が沖縄戦に巻き込まれた悲劇を描いている、ひめゆり平和記念資料館とか私が名誉館長を勤めている、立命館の国際平和ミュージアムを含めて10館が日本平和博物館会議っていうのを結成してるんですね。

毎年泊まりがけで会議を開いて博物館の枠を越えて共通の悩みなどについて議論しお互いの経験を学びやって、より良い平和博物館作りをしようということで1994年に第一回目が開かれてから、もう四半世紀続いているんです。

今年もそれをやったんです。例えばどんなことも議論されたかと言うと

今、NHKなどの技術人が昔の取られた白黒写真をカラー写真に変換するという技術を開発しつつあるんですが、そういう技術を平和博物館は積極的におり入れるべきか、どうか?という面白い議論がありました。

議論の結果を御紹介すると、慎重です、皆さんね。

白黒写真ていうのは色々な波長の光に対してヨウ化銀という化合物が、

化学反応を起こして、銀を分離してそれが黒い影になるんですけども。

そういう形で白黒の伊寧をフィルム上写す技術なんですね。

白と黒という二元的に写しおとされた情報を、逆算してカラーにするというのには、どういう方式で色、元の色はこうだったって戻すのかについてまだ十分な標準的な方法が確定しているとは言えない。頑張ってますけれども、技術者は。

それだから白黒写真をある方式でカラーにしてみたら今まで気付かなかった、こんなところにも血の跡があったのだ、とかいうことに気づくから、事実をを追求する上でとても有効な新しい技術であることは間違いないんだけれども、もう少し技術が標準化されて誰がやっても、この白黒写真は元々こういうカラーの映像であったということが、論争なく解るような時代が来たら、おおいに活用していいでしょうけども、今そういう真実を究明する為の有効な手段の一つということにしておいて、やっぱり平和博物館は、参考材料としてカラー化した写真を展示することに、とどめておいた方がいいのではないか、という意見が大勢だったように思います。

それから、この日本平和博物館会議では一番大事なことは次の世代に戦争の悲惨さ平和の大切さをどう伝えていくかくかということで神奈川の平和博物館から、各平和博物館は次世代に平和の大切さ、戦争の悲惨さを伝える為にどんな活動をしていますか?という問い掛けがありましてね。それぞれの館が、うちはこういうことをやっていますというのを御紹介しあって、お互いに学びあったということです。

最後になりますが、来年の9月16日から20日まで。立命館大学を含めて

第十回国際平和博物館会議というのをやるのですが、日本平和館会議も、この第十回国際平和博物館海に協賛することが満場一致で決まりました。

私はその事務局長をやってるので、大変嬉しく思ったところであります。

では皆さん、年末風邪などひかぬようにね、

どうぞお元気でお過ごしください。さようなら。

カテゴリー: 原発関連