FM79.7MHz京都三条ラジオカフェ 安斎育郎 平和・原発ひとりごと

安斎育郎 平和・原発ひとりごと 10月号

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皆さんこんにちは。安斎育郎 平和原発独り言 10月号をお届けする日が参りました。

秋になってですね、やっぱりあの涼しくて過ごしやすいという感じもありますが、周りのひとに聞いてみると、なんとなくなる憂いを秘めていてというかですね、心浮き立つというよりは、しんみりする時間が多いっていうようなこと言ってましね。 
しんみりする秋を読書その他で十分に味わいながら、秋の味覚の楽しみたいものだと思います。

今日ここに来るまでに歩いた距離が2000歩ぐらいなんですけどね、帰りがけそれと同じくらいは歩くだろうから今日は仕事中も含めて5000歩ぐらい歩くのかなと思いますが、歩く距離は毎日、どんな仕事してるかで全然違いましてね、朝から晩までパソコンに向かって原稿書いてるなんて言うとの携帯の歩数計を見てみると1日で64歩とかね、そんな日があるかと思うと、福島に調査に行って散々歩き回ったってと1万何千歩なんてこともあったり日によって随分違います。

歩かないよりは、歩いた日の方がはるかに体調が良い気がしますので、できるだけこれから秋の涼しい 日を選んでですね散歩もしたいものだって思っています。

今日は、あの電車に乗ろうとしたらですね、交通系の電子カードを使ってるんですけども、入り口で拒否されましてね。いつものようにポケットにしまって、いつものようにそっから出してまだ何千円か余裕があるはずなんですが、跳ねつけられるんですよね。

それで、いやもしかしてチャージしないといけないのかなと思ってチャージしようとしたらそれもできないんですね。
駅員の方に聞いたら、カードが壊れてますっていうんですが、再発行しますかってんでしていたいたんですけども、してもらうって言っても証明書をそこで作ってもらって実際に再発行するのは、翌日から2週間の間に特定の駅に行きなさいっていうことで、なかなか厄介ですね。交通系の電子カードはもう日本中、ほとんどどこでも乗れるので便利極まりない。ただあれですね、これから乗って行く先までいくらかかるのかよということを調べなくなったですね。
そのまま電子カードに入っちゃえば、余裕がある限り何のお咎めもなく目的地まで行きますので、だからいったいどこからどこまでが、いくらかっていう感覚がこの頃鈍ってきた感じがしますが、便利は便利だけどそれが不都合をきたすと、大変回復するのに厄介な手続きをしなきゃいけないっていうこともあるようでしたね。

さて、そんな経験をして、このスタジオにやってきたんですけども、今日は、あまり平和、原発に直接関わらない手品マジックの話をしようかなと思ってんですね。それから最後にできればですね、皆さんへのプレゼントについてちょっと話したいと思うんですけども、僕はもともと原子原子力科学者、放射線防護学っていう結構ややこしい学問分野の研究者ではあるんですけれども、趣味の世界もそれなりにあって実は中学1年から手品をやってんですねマジック英語ではマジックトリックていいますけれどもやっているんですよね。

それで大学の時代には東京大学奇術愛好会第3代会長ってのやってましてね。入って1−2年目の教養学部の間は勉強もそこそこに手品に明け暮れておりました。キャプテンですからそれなりにうまくやらないと、下級生などに教える手前ですね、示しがつかないので、一生懸命練習して、家へ帰ってくると鏡の前で二時三時まで、カードを手で扱って、消えたりね、また現してみたり、そんなこともやっておりましたし、「シカゴの四つ玉」って言って、赤い玉を一つ、ある白い玉のもありますが、人差しいいと親指の間に挟んで、ちょいちょいとやると、二つ三つ四つと増えてって、またそれが減って、ついに消え失せるとか、そういうマジックですね。

これは結構手先が器用じゃないとできないので、手先の器用さ+練習量が物を言うので、なかなかしんどかったですけども、そのぶん結構うまくなりましてね、今はですね、驚くべきことに、別に誰も驚かないですけどもね、国境なき手品師団、国境なき手品師団の世界で、ほとんど唯一の名誉会員なんですね。手品を始めたきっかけは何だったかって言うと、中学校1年の時のクリスマスの会がクラスであったんですねで先生に何か贈り物をしようよってことになってクラス員で、あの頃のこと昭和20年代の終わり頃のことですから、一人10円とづつ集めてね、僕が代表して、日本橋の白木屋というデパートに買いに行くことになった。当時私は東京の深川ってゼロメートル地帯ってところに住んでおりました。

家は小さな松屋パン店というパン屋さんをやっててね。時々店番してましたけれども、そっから都電、東京都の電車ですね、都電に乗って、日本橋まで。駅は四つか五つ、すぐ近いんですけども。中学生が一人でデパート行って買い物するなんてのは、めったにないことでしたので、少し緊張しながらね。白木屋デパートに行きました。それでそこの6階だった彼に手品売り場があるっての知ってたもんですから、真っ先にそこに行って手品を見ていて、手品を一つ買って帰ってきたんですね。シンブルって言って、縫い物に使う指ぬきですね、何の仕掛けもない指ぬきなんですけども、プラスチック製の一個30円とか、50円だったと思いますが。それを買ってきて、やりはじめたのが、病みつきになったきっかけですね。結構やってるうちに根がわりと器用だったものですから、友達などにやると大変びっくりされたりしたべてね。それで僕は卒業式の謝恩会で、校長先生の前で手品と落語をやったっていうことになってるんですけども。 手品趣味がずっとついた。

高校時代は両国高校という、両国国技館という相撲をやる国技館の割に近いところにある、東京都立の高校で、そこは受験校だったんですね。東大で毎年何十人か入るっていうようなところで、あんまり手品をやってる時間もないままに過ごした。しかし、東大に入ると入学の手続きに入ったら入学試験事務所に行列ができていて、その横で手品部の先輩がですね、まあ、入会の案内をやってる。ちょいちょいと、手品をやってんですね。すると、中学校以来やってきた手品の趣味が、ムラムラと蘇りましてね。これは入らなくちゃってんで入りました。

それで、手品部は教室を借りてそこで、練習もやるんですが、夏になると合宿ってのやりましてね、もう朝から晩まで手品三昧。とくに東大の奇術愛好会は理屈っぽっていうか、神田の古本屋街てとこへ行くと、いろんなアメリカから直輸入された手品の資料が売っているんです。

資料たって本になってなくて、まぁ、日本で言えばガリ版刷りに相当するようなそういうタイプで打った、そういう資料。手品趣味の人が密かに練習なんかで使う資料ですから、そんなものが神田の古本屋街で売っているんですね。そんなの買ってきて、いち早くアメリカ直輸入の手品を練習してね。それで、合宿の時に、仲間達に披露して、どうだってできいないだろってんで、まあ溜飲を下げて、それでもみんなに教える。合宿はなかなか厳しくて、いくつかの規定種目があってね。それができるので帰さないなんていうんで、なかなか一緒懸命やったもんでした。秋になると、学園祭とか、あるいは地域の老人会、その他に呼ばれてそこで披露したりしてね。だんだん人前で手品をやるって事も楽しくまた上手になってきてね、原子力工学を専門とする研究分野に入ってからは、そう度々ある機会はないけれども、安斎は手品をやる、マジシャンであるってのは結構知られていきましてね、学会の懇親会なんて言うと必ず出番があるって言う、そういうことでした。

僕は、東大の時代医学部に就職して原発反対運動に取り組んでた頃は、原発参拝の活動家としても知られておりましたが、一方では手品を夜科学者としても知られていてね。

学会などでは、だから、あれは反原発派だと思われながらも、しかし、懇親会になると必ずお呼びがかかってね。そこで手品をやることでありました。それが未だにずっと続いておりましてね、前に番組でもお知らせしたように、今は世界の平和博物館のネットワーク「平和のための博物館国際ネットワーク」というところの代表を務めていて、毎日国際社会とやり取りしながら平和博物館運動の発展のために、力を尽くしつつあるんですけども、ここでもですね、3年ごとに開かれる国際平和博物館会議このパーティーなどでは必ず手品の出番があるっていうね。

昨日、ジュネーブに行った私の友人の山根和代さんていう人が、ジュネーブの国際赤十字赤新月博物館、国際赤十字博物館ですが、ここの館長のロジェ・マイヨールさんと会ったっていうメールが届いていて、今朝読んだんですけども、ロジェ・マイヨールさんも、安斎さんの手品のことをよく覚えてるって言うんで、よろしく言ってくれてなことだったんですね。

国際的にも知られたので、ウデを落とすわけにはいかず、時々練習してですね、機会を見てそれをやってる。講演活動でも、手品を必ずやって下さいとか頼まれることが多いんです。

手品っていうので、ひとをだますって言うと、聞こえが悪いけれども、人間が如何に騙されやすいかってことを教えてくれる大事な手段なんですね。我々はうっかりすると、社会生活の中でも、政治的にも社会的にも棒色々な場面で騙されがちですので、手品を通じて人間はうっかりすると如何に騙されやすいかってことを、社会的にアピールしていくのは、それなりに大事なことかなという風に思っています。

さて、皆さんへのプレゼントのお知らせなんですけども、実は昨年77歳喜寿になった時に、安斎育郎喜寿記念一筆箋のというのをだしたんですね。これをですね、この番組を聞いてる方で、もし欲しいって言う方がいれば、10名の方に差し上げたいと思いますんで、番組感想などをしたためて、安斎育郎 平和・原発ひとりごとの番組宛にほしいって送ってくれて、ついでに番組の感想でも書いといてくれればね、10人の方にお送りしたいと思っています。

どうぞふるってご応募くださいってことですが、安斎育郎喜寿記念一筆箋を差し上げたいと思います。ではまた来月に、お目にかかりましょう。

ありがとうございました。

カテゴリー: 原発関連